2018年12月19日水曜日

俺が秋葉原でmodチップを売っていた話

今から17年前、学生だった私は夏休みを無為に過ごす事に危機感を覚え、バイトに精を出していた。

それは、秋葉原の露天商。
バイト先の社長が二束三文で買ったものを手数料つけて売る仕事だった。

初日、先輩と共に働いていたが、目を引いたのは、青色の小さな箱、3000円。
「これが何かは知らないけど、値段がついている」「そういう体で。」
先輩はそう言うと翌日以降私一人で任されたのであった、、、

この小さな箱は、当時は、ゲームラボやらの雑誌で何度か見た。
ps1ではご存知の方も多いと思うが、物理的にコピー対策をかいくぐることができた、特別な道具を必要としなかったこともあり、大変流行した。

そのps1の後継であるPS2では、コピー対策をかいくぐる為には本体の改造が不可避であり、それを実現するものが、この青い箱に入っている、modチップ、であった。
何も、何も、面白くもない話だが、そのチップはひと夏の間売れることはなかった。

とにかく私が怪しいのか、客がこないのだ。
そこでの主な売上は、社長が仕入れてきた「B'sレコ○ダー」(多分バルクのドライブについてきたやつを勝手に引っ剥がして横流しされたやつだったとおもう。)

勢いだけはあった私は、客が来ないなら、売り込めば良いじゃないか、と。
このあたりから結末の想像はついたと思う。

客寄せ→同製品を六倍の価格で販売しているフリージアが迷惑→110→職質→893の仲裁により解放といった道をたどることとなった。(父が地方公務員だったので肝を冷やしたのは言うまでもない)

この一件のせいでバイト先の社長は露店ビジネスは辞めたそう。どう畳んだのかは知るところではない。

あの頃の秋葉原は、アングラ雑誌の体現的な部分も少なからず残っていた気がするし、その一翼を担っていたかと思うと、感慨深い
昔の秋葉原は「得をするために足でいろいろ見回る」といったようなところがあった。それは情報が整備されていなかったのが大きい。
今は情報も整備されており、「損をしないために足でいろいろ見回る」側面が大きくなったような印象がある。

なお、そんな胡散臭いバイトをしていても、普通に就職して普通の人生をある程度進めているので、学生時代何か間違ってもだいたい大丈夫だと思う。 

余談ではあるが、当時学生の身分で所属学部はいわゆる情報系だった。
隣のクラスだったS見君と、M野さんがデートしており、ばったり出会ってしまい、気まずい思いをしたお互いに。

2023/6 どうでもいいことを追記した。